家族や友人、同僚に打ち明けるか?どう話すか?

あなたの周りの人に「自分がMS患者である」と話すかどうかは、極めて個人的見解に基づくものです。多くのMS患者の場合、外見的にはわからないので、打ち明けるかどうかは選択の余地があります。もし介添えが必要であるならば、いずれにせよ自分がMS患者であることを、身近な人に打ち明けたほうがよいかもしれません。その決断は、それを周りの人がどう受け止めるのかによって判断したほうがよいでしょう。

家族
病名がわかった時点で家族と話し合うことも良いでしょう。かなりの人たちがそうすることで落ち着いたと言います。家族に診断結果を話す前に、どういった反応をするかを自分で考える必要があります。通常協力的であるでしょう。しかし特にMSについての知識がない場合、その知らせには驚くことでしょう。その場合MSがどのような病気なのかを理解するためにも、パンフレットを利用することをお勧めします。もし病気について打ち明けることが、おたがいの関係を悪くするようであれば、誰か特定の人、もしくは誰にも話さなくても良いでしょう。

小さい子には
小さな子に病気について形式ばって話す必要はないと思います。しかし子どもに対する質問にはきちんと答える必要があります。子どもの本能として、何か変だとか、不安を感じるものですから。子どもの様子が心配になっても、それを理解し見守る必要があります。実際に今まで感じたこともないくらいの恐怖と不安を抱くものです。それぞれの国のMS協会では、子どもの不安を和らげるのに役立つ小冊子があります。日本にも、MSのことを知る絵本を発行してところがあります。

理解できる年齢の子どもには
青少年や思春期の子どもに対しては、もっと慎重に話をする必要があります。しかし外見では落ち着いているように見えても、内心ではかなり動揺しているはずです。MSについて知ることが不安を和らげてくれるでしょう。子どもたちにとても大切なことは、彼らの考えをきちんと話させ、情報をお互いに話すことで、関わりをもたせることです。それぞれの国のMS協会の出版物を読むことが、病気理解の助けになるでしょう。

思春期の子どもたちは、大人として扱うべきです。もし傷心や怒りを家族の問題として扱ってあげないと、結果的に「どうでもいい」といった状態を招くことになるでしょう。けれども問題を分かち合うことで、子どもたちは驚くほど成長し、精神的にも強くなり、あなたを励ましてくれるでしょう。あなた自身が問題を一人で抱えることは、「他の人に心配をかけない」といったことではありません。

両親に打ち明ける
両親に診断結果を話すことも難しいことです。親にとって子どもの診断を受け入れるのは、とても困難なことなので、両親がどのように感じ、何が必要かに対して、特に慎重になる必要があります。特に母親を十分に守りましょう。というのも、多くの両親が自分を責めるからです。

思春期もしくは成人前の子どもがMSの場合
子ども又は思春期の子どもがMS患者である場合のその両親は、子どもに対して、病気についてどう話せばよいのか、直面する問題に対してのどれだけの情報と責任を話せばよいのか、といった膨大な責任を背負うことになります。MS患者の多くの若い人にとって、初期の段階では自分自身の人生に対しても、身体的にも殆ど影響はないため、公には全くわかりません。影響が出るのには何年もかかるでしょう。この期間に子供は大人に成長し、学業を終え、キャリアを積み、人間関係を築くことができると思います。

通常のカウンセリングのアドバイスでは、大人のMS患者を対象にした考えでされますが、一般的ではありませんが、思春期や若者を対象にしたものも進められています。MSのありのままの事実と、直面していることに対する理解を、同じ病気をもつ特定の人たちと、湧き上がる疑問を投げかけあうことは、通常価値のあるものです。

15歳以下の子供で、特に症状は少なく、障害も殆どない場合、今後病気のもたらす可能性やありのままの話を、子どもたちに話すべきかどうかについて反対する意見があります。子ども自身が、何度も診察に訪れることに対して何かおかしいと明らかに気が付いても、子どもが‘普通’に生活できている間は、医療関係者と連携し、決断責任を親が担うのもよいでしょう。

思春期の子ども(15歳以上)にとって、学業や治療に関する親の決めたことや、病気についてのありのままを、自分自身で受け止めるのに十分な年齢です。しかし思春期の子どもが、精神的に不安定で、自分自身のイメージが壊れやすいものであるため、「MSである」ことが、彼らの人生に重荷として追加されると覚えておく必要があります。

雇い主
MSになったことで仕事への影響を、雇い主に話すかどうかの決断をすることになるでしょう。援助を保障してくれるか?それとも、不当にもキャリアに影響を及ぼすかもしれません。公表にあたってのお互いの必要条件については、国によって違いますので、自国のMS協会に問い合わせてみましょう。

公表することの利点
1.診断を話すことにより心は落ち着きます。MS患者の多くは、人に話すことより隠すことの方がストレスを感じるといいます。明らかにすることによって、事が容易になります。もし困ったことが起きれば、職場での受け入れ態勢を変えてもらうことも相談できるはずです。

2.ありのままの雰囲気を感じること、それはMS患者である自分に対しての、職場の人たちの反応や、感情、付き合い方を知ることになるでしょう。もっと正直に人と付き合うことができるようになるでしょう。

3.以前の雇い主や過去の状況から、不注意にも自分に「障害がある」と明らかになるのではないか、といった不安から開放されるでしょう。

4.いずれ検査の前には、MSであることが、雇い主や保険会社もしくはその他の関係者が知られることになるので、検査申請時不安が減るでしょう。(日本では、医療保険システムが違うので、分からない場合と分かる場合があります。)

5.MSになっていることを同僚に話すことで、この病が誰にでも起こりうるものだと学習するとても簡単でよい方法だとわかるでしょう。そしてひとりの人の未来が、身体の状態によって、さまざまな部分が変わってしまうのだと、互いに話し合うことができます。

公表することの欠点
1.MS患者に対する差別の不安(例として昇進、訓練の機会を与えない)

2.同僚やその他の人からの反応に対する不安

3.職を失う、又は、仕事の申し出がなくなる(特に以前にもそのようなことが起こっていた場合)のではないかとの不安

4.仕事での失敗が、障害のせいにされるのではないかといった不安